< 離 陸 編 >
さあ、次は離陸に関する交信です。こちらも、難しくはありません。(例文はすべてフィクションです。)
基本形は、これだけです。それでは、解説を加えていきます。
(1)まず飛行機から大阪管制塔に呼びかけて、離陸準備が整った事を知らせます。
(2)管制塔からの指示です。
スポットから32レフト滑走路へ移動するには、32ライト滑走路を横切る必要があります。
大阪空港では、cross(横切る)という単語が頻繁に使われます。
hold short of は「手前で待機」です。すぐに滑走路内へは入れません。
(3)航空無線は、必ず「復唱」します。
管制官の指示をパイロットが復唱して、伝達を確認します。
(4)管制官が安全を確認してから、飛行機を滑走路内に入れます.。
(注)最近は、 Line up and Wait. という言い方が使われています。(07年12月)
(5)ようやく離陸許可が出ました。「テイク・オフ」です。
それでは、こちらも少しバリエーションを。
(6)、(7)これは、上記(1)と全く同じ意味です。単に Good morning と呼びかける事もあります。
(8)パイロットが滑走路に至る道筋をリクエストしています。通常は誘導路W2を使います。
Whiskeyは、アルファベットWを聞き間違えないようにするための言い方です。
(9)パイロットのリクエストを受けて、管制塔がそれに答えています。
(10)離陸時も、管制塔から風に対する情報を伝えてくれます。
数字の「9」は、nine (ナイン)ではなく niner (ナイナー)と発音されます。
便名に「9」が付く時は必ず niner と発音されますが、それ以外(誘導路番号や周波数)の場合は、
nine と発音したり niner と言ったり、まちまちです。
(11)飛行機が離陸してしまうと、管制塔の手を離れて、ディパーチャーと連絡を取ります。
以上が、離陸機と管制塔の会話の骨子です。
まずは短い呼びかけの言葉で始まり、管制官の hold short of という言葉がキーワードです。
最後に一言。
「英語」を意識しすぎると、語学の勉強のようで難しく感じてしまいます。
航空無線は、単なる「専門用語」だと考えてください。
いくつかの「専門用語」を覚えれば、誰にでも楽しむ事ができます。
「着陸編」、「離陸編」とも、例文はすべて実際の交信を元に作成致しました。
雑誌等に掲載されている模範文章と比べると、多少簡略化されている部分がありますが、
実際の現場で運用されている会話は、こういう感じです。
*英文をクリックすると音声を聴く事ができます。
(音声はWMAファイルです)
*音声協力: Brenda Panichi